(追記、追記で見づらくなってきたので2024年版として更新しましたのでよかったらそちらもご覧ください。)
手持ちの無線機 ICOMのIC-703が購入から20年近くなり、局免許も来年4月で更新のタイミングなのでそろそろ買い替えをしてみようかな、ということで今どきのHF帯用の主に固定無線機で20万円以下で買えるものを、ピックアップして比較してみます。(すいません、すごい長くなっちゃいました。)
と言ってもメーカーは、ICOMとYAESUの二社だけなので性能についてはほぼ変わりはないだろうということで、使い勝手的なことを調べてみました。(本当はKENWOODもリストアップしたかったのですがTS-590はちょっと高め、480は生産終了ということで残念)
私の運用条件としては
- 昔はモービル運用していたが、今後は車に載せる予定はなく主に机の上からの固定運用メイン
- 最近はFT8メインなのでパソコンとのインターフェースにUSBは必須
- 机上のスペースがあまりないので、大きいのはNG
- 保守を考えると発売時期が古いものも避けたい
- せっかく2アマを持っているので50W機を使ってみたい
- V・UHF帯には、特にこだわりなし
- もう買い換えるつもりはないので、長く使えるものを
ということで結果、ピックアップしたのは以下の6機種。
機種名 | 店頭発売時期 | 運用周波数 | 大きさ | 重さ kg | 実売価格 円 | ひとこと特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
IC-7100 | 2013 | HF 50 144 430 | 165W☓64H☓79D(表) 167W☓58☓225D(本) | 2.8 | 100,400- | 表示部と本体が別 |
IC-7300 | 2016.1 | HF 50 | 240W☓94H☓238D | 4.2 | 102,490- | ベストバランス |
IC-705 | 2020.3 | HF 50 144 430 | 200W☓84H☓82D | 1.1 | 112,300- | とにかく小型でずば抜けて軽い |
FT-991A | 2016.10 | HF 50 144 430 | 229W☓80H☓253D | 4.3 | 121,000- | 全部載せ |
FTDX10 | 2021.1 | HF 50 | 266W☓91H☓263D | 5.9 | 170,800- | 上級機種に近い |
FT-710 | 2022.10 | HF 50 | 239W☓80H☓247D | 4.5 | 126,300- | この中で最新 外部スピーカー標準 |
機種名 | 受信方式(HF帯) | 内蔵アンテナ チューナー | 最大送信出力 (HF帯) | エアバンド受信 ワイドFM受信 | 液晶画面 |
---|---|---|---|---|---|
IC-7100 | トリプルスーパー ヘテロダイン | 無し | 100W | ✕ ○ | inch不明 |
IC-7300 | ダイレクト サンプリング | 有り | 100W | ✕ ✕ | 4.3 |
IC-705 | ダイレクト サンプリング | 無し | 10W | ○ ○ | 4.3 |
FT-991A | トリプルスーパー ヘテロダイン | 有り | 100W | ○ ✕ | 3.5 |
FTDX10 | ダブルスーパー ヘテロダイン | 有り | 100W | ✕ ✕ | 5 |
FT-710 | ダイレクト サンプリングスーパーヘテロダイン | 有り | 100W | ✕ ✕ | 4.3 |
とりあえず機種別に見てみると
ICOM IC-7100
長 所
- なんと言っても表示部と本体が別筐体となっていて、表示部だけであれば0.5kgで非常に小型。机上に設置しても見やすいし、個人的にはスマートに思える。
- モービル運用でV・UHF帯にも使える数少ない機種。
- 古い設計ながらもUSB端子あり。
短 所
- ほぼ10年前の機種であり、設計が古いことは否めない。
- 古い機種であるため、将来の保守の心配、オプションの入手の心配あり。
- 古い割には、売値がそれほど安くなっていない。他の競合機種とほぼ同レベル。
全体印象
系譜としてはIC-706の後継となるのでしょう。最初から表示部と本体を完全別体とした潔さと机の上に置いても何ら違和感のないデザインは非常にカッコいいと個人的には感じます。
ただやはり10年前の機種ですので液晶がカラーでない部分やバンドスコープやメーター表示機能なども新しい機種とは一線を画すものがあります。またとりあえず現状生産続行されたようですが、またいつ終了がアナウンスされるかもわからないですね。
それと古い割には、売値が競合機種とほぼ変わらないというのは、そろそろ生産終了しそうなことによりプレミア感が入っているのでしょうか。
7〜8万円で買えるのならば有りかなと思うのですが、メインとして買い換えるには高すぎる気がします。
(2023年1月追記)
まだメーカーから生産終了のアナウンスは無いですが、通販ではほぼ手に入らない状況になっているようです。残念ながら後継機種の登場を願うしかありません。(出ればの話しですが)
(2023年4月追記)
CQオームさんでは、【受注停止】の表示がされていますので、もう新品での入手はほぼ不可能と考えて良さそうです。どうしてもと言う方はオークションでの入手しかないですが、出品されているものを見ると10万円前後と結構高額ですのであまりお勧めはしません。
(2024年11月追記)
Amazonで若干高めですが少数販売されているようなので興味のある方は、どうぞ
ICOM IC-7300
長 所
- この価格帯のデファクトスタンダード的な存在。
- 各レビューを見ても機能、音、デザイン、使い勝手、すべてにおいてほぼマイナスポイントなし。
短 所
- 2016年発売なので若干古めの設計。
- レビューで受信音が少々硬めというものがいくつか見られた。
全体印象
とにかく各レビューを見ても欠点のない使いやすい無線機と言う印象です。確かにフロントパネルを見るだけでも感覚的に使えそうな分かりやすい印象を持ちます。これ以降ICOMはもちろん、YAESUもこの機種を基準に設計をしているようにすら感じます。とにかくこれを買っておけば間違いなしという感じです。
一点気になるところがあるとすれば既に発売から6年ほど経過しているという点でしょうが、今現在の目で見ても古いという印象は全くありません。それくらい完成されたデザインなのでしょう。
売値も落ち着いているので、第一候補という感じです。
(2023年4月追記)
未だこのクラスの売れ筋でしょう。販売価格は横ばいな感じですので今でも人気はありますね。
Amazon
ICOM IC-705
長 所
- とにかく小型で軽い FTDX10の5分の1以下の重量
- HFからV・UHFのオールモード
- 使い勝手は、IC-7300と共通していて良さそう
短 所
- 送信出力は、10Wのみ(外部電源使用時。バッテリー使用では最大5W)
- とにかく小型を実現するために、アンテナ端子はBNC、USB端子はマイクロ端子など外部インターフェースもとにかくコンパクト
- 他の機種に比べると、若干高級感には欠ける
全体印象
こちらは型番から見ると私の所有しているIC-703の正統な後継機種。703と同様フィールド運用を主眼として作られているが、固定運用することも充分できて、しかも全波帯オールモードのホントよくできた機種。
最初見たときは表示部と別に本体があるのかと思ったら表示部に全部入っていて重量は、1.1kg。DSP周りの部品を徹底的に小型化し、高密度化してこの軽さを実現しているようです。(YouTubeの某サイトで中身を分解しているのを見ると、帯域フィルタ部のコイルはしっかり20ケ近く入ってます。すごい!)
これならば机の上に置いても邪魔にはならないと思うのですが、アンテナ端子が筐体横に付いている上にあまりに軽いのでケーブルに何かが引っかかる度に机の上で動いてしまいそう。そこは別売りのスタンドのようなものを使ってもう少ししっかり設置する方が良さそうです。
その他アンテナチューナーは内蔵しておらず既に専用の外部チューナーが発売されているなど、とにかく色々な外部オプションを購入してアクティブに楽しむスタイルのようです。
50W機が出てくれれば候補に入りますが、IC-7300との差別化のためにも出ないだろうなぁ。(中身の分解シーンを見ると超過密で、あそこに50W対応のパワーユニットを入れるのは熱的に無理でしょうね。)
(2023年1月追記)
今現在も品薄状態が続いていて、殆どの通販ショップでは【予約待ち】状態です。まぁ、まだ新製品と言ってい良い機器ですから気長に待っていればその内手に入るでしょうが、早く手に入れたい人はショップに予約を入れておくべきでしょう。
ただ、その際複数のショップに重複予約を入れて後でキャンセルしたりすると、店側からものすごく嫌われると思うので(ブラックリスト入り?)、これだけは止めましょう。
(2023年4月追記)
まだアマゾンでは出てきていませんが、専門ショップではやっと在庫が入り始めているようなので、今予約を入れれば1~2か月以内には入手できるのではないでしょうか。
個人的には軽量小型のこの機種が今現在の第一候補なので、もう1年くらい待って10万円をきったら買おうかなどと不埒なことを考えています。(現状のIC-703で局免許更新してしまったので)
(2023年9月追記)
アマゾンでは未だに入手困難状態が続いているようです。半導体不足がまだ解消されていないのか原因はよくわかりません。ただショップによっては入手可能な所もあるようですからこまめに探して、問い合わせをしてみると良いかもしれません。
(2024年2月追記)
ようやくアマゾンでも少しずつ入手可能にはなってきたようですが、まだまだ豊富な在庫とは行かないようです。CQオームさんなどで探したほうが良さそうです。
FT-991A
長 所
- 長らくIC-7300のライバル、ということは機能、性能に穴はなし
- HFからV・UHFのオールモード
- 各レビューで音の良さの指摘多め
短 所
- IC-7300と比べてV・UHF帯に出れるという以外、機能的に何が優れているのかがちょっと不明
- 受信方式が今どきのダイレクトサンプリングではない
- 各レビューで使い勝手が今ひとつ悪いというものがいくつか見られた
- IC-7300と同様2016年発売なので、若干古め
全体印象
YAESUのHF機は、これ以降の3機種ともにデザインは基本的に共通。個人的にはカッコいいと思います。
ネット上のレビューで使い勝手(操作性)が良くないとの意見がいくつか見られましたが、動画などで見る限り何が悪いのか残念ながらよくわかりませんでした。少なくとも手持ちのIC-703よりは遥かに良いと思われます。
上記に書いた短所は、ほとんどイチャモンレベル。
全波オールモードでこれだけコンパクトな無線機が12~3万円程度で買えるとか、すごいなぁ。欲しいなぁ。
(2023年4月追記)
こちらもICOM IC-7300と同様に販売価格は横ばい安定です。他の機種が手に入りにくくなっている分この機種への需要も多いと思われます。
FTDX10
長 所
- 機能的には、上記の機種達より上位の位置づけで20万円以下としてはベスト
- レビューを見ると受信性能はかなり高い
- 操作性は、YAESUとしてはかなり改善されている
短 所
- すいません。わかりません。
全体印象
売値20万円以下の機種としては最上位にある無線機という感じです。操作性の評判があまり良くなかったYAESU機ですが、タッチパネル周りなどだいぶ改善もされているようです。
ただ全体的に高いレベルにある機種のようですが、どうしてもこの機種でないとならないというポイントも見つからない印象を受けます。(デザインも他のYAESU機とほぼ同じですし)
新しく出たFT-710とどこか違うのかが気になる所です。
Amazon
FT710
長 所
- 今回取り上げた機種の中で最新である(最新すぎてまだレビューもなし)
- 外付けスピーカーが標準で付くなど、受信音にこだわった印象
短 所
- まだ出荷前で実際の所が未だわからず
全体印象
今日現在の所、出荷はまだのようなのでネット上のレビューはありません。
カタログを見る限り、最初に受信回路、受信性能、受信音の記載があるので受信部分に力を入れた無線機だと思われます。そしてそれが上位のFTDX10と比べてどの程度違うのかなど今後のレビュー待ちという状況でしょうか。
ただ、最新の機種としてICOMのIC-7300や自社のFT-991Aを踏まえた上での新機種でしょうから期待大です。
個人的にはYAESUの無線機、受信機は所有したことがないので、かなりこの機種には心が動いています。
(2023年1月追記)
そろそろ実際に手に入れた方のレビューが出てきているようですが評判は悪くないようです。付属スピーカーの音の良さと4.3インチディスプレイの解像度の良さ(細かい表示までキレイ)が売りでしょうか。
実売価格もICOM IC-7300と比べても2万円程度の違いなので迷うところです。
YAESU FTDX10との実売価格約5万円の差については、未だよくわかりません。カタログを見る限りにおいては大きな違いは
- ディスプレイの大きさ(FT-710:4.3インチ vs FTDX10:5インチ)
- 受信部でのクリスタルフィルターの有無(FTDX10の方が近接多信号特性(選択度?)が高い)
くらいなのですが。これだけだとFT-710の方が魅力的に見えます。
(2023年4月追記)
販売価格が11万円台まで下がってきていて、IC-7300との差が殆どなくなってきているので最新のYAESUか安定のICOMか悩むところですが、個人的にはYAESUの前面スピーカーによる音の良さは魅力です。
Amazon
結 論
どれか1台と考えたときに、消去法で考えるてみると発売時期の古いICOM IC-7100に関しては、これからも長く使おうと考えるとメインの無線機としてはチョット厳しい。
それと50W運用にこだわるならばフィールド運用を重視して作られているICOM IC-705に関しても残念ながら候補落ちだけど、この超絶コンパクトは魅力的。今のIC-703の代替として考えるなら捨てがたい。
YAESUの3機種では、V・UHFには特にこだわりはないので発売時期の若干古くなったFT-991Aをはずすと、FTDX10かFT-710が残ります。
ということで最終候補は、ICOM IC-7300、YAESU FTDX10、FT-710の3機種。10W運用でイイやと考えるならIC-705の一発大逆転もあり。(全然絞り込めてないや)
FT-710については、FTDX10との違い、IC-7300を上回る点など評判を注視しつつ、局免の切れる来年の3月くらいまで悩んでみましょうか。
(2023.4月追記)
結局、絞り切れず手持ちのIC-703で局免の更新を行ってしまったので、またしばらく悩みは続きます。
現状では、機動性のICOM IC-705か音の良さのYAESU FT-710の二択状態です。