私が現在主にFT8で使用しているアマチュア無線機のICOM IC-703は、平成14年(2003年)登録機器で、思いっきり旧スプリアス規格対象機器なので、本来昨年末には経過措置の期間も終了して買い替え待ったなしの状態となっていました。
今年は再免許のタイミングなので、このタイミングで買い替えしかないかと昨年末から買い替え対象機器の検討を始めていました。
無線機器の在庫がない
新製品のYAESU FT-710かICOM IC-705かと迷ったのですが、場所を取らず移動しての運用も手軽にできそうなIC-705にしようと最終的に決意したのですが、残念ながらとにかく在庫がなくて入手できない状況が続いています。
ICOMの製品は例えば受信機のIC-R8600も各販売店で、ながらく在庫なし状態となっていたり、他のYAESUのFT-710なども在庫が怪しい感じになっていて、半導体不足による無線機器の生産の遅れはだいぶ深刻な状況が続いていることが見て取れます。
その他の機器も順調と言うことではなく、各社、各製品今ある在庫でなんとかしのいでいる感じもします。
旧スプリアス規格の経過措置も延長
さらに総務省から現在の半導体不足の実態を鑑みて「当分の間」旧スプリアス規格対象機器の経過措置を条件付きで延長する旨が発表されました。ただ「当分の間」というのがいつまでなのかは不明ですが1~2年程度でしょうね。
【総務省発表】新スプリアス規格への移行期限の延長について(PDF)
経過措置延長の条件は、「他の無線局の運用に妨害を与えない場合」に限るということで、たぶん大出力の機器に対するものであろうと考え、結局私自身は、とりあえず手持ちの古いIC-703の再免許申請を行うことにしました。
半導体不足問題の経過
ところで、この半導体不足問題というのは、何なのか改めて調べてみるとどうも経過は以下のような感じかと思われます。
- 2020年のコロナ流行で世界の流通が大混乱。
- リモート勤務の増加などでPC、サーバー系のロジック半導体需要が大幅増加と見込み設備投資をするも、実際は車や通信機器に使われるマイコン、アナログ半導体が不足状態に。(需要の見込み違い)
- これに伴い半導体ユーザー側が自社の在庫を確保しようと多め多めの発注をかけたことにより、一気に世界的な不足状態に。(仮需問題と言う半導体の取り合い)
- 半導体メーカー側も不足状態終息後の供給過剰を考えると、時間のかかる生産ラインの増強に二の足を踏み、劇的な不足状態の解消ならず。
- 現在は一時の混乱は収まりつつあるとは言え、戦争の影響もあり流通は完全に回復していない上、仮需問題で発生した大量注文からの在庫がどこにどう滞留しているのか状況の把握がしきれていない。 ←今ココ
どうも現在は生産が追い付かないというよりも、生産はされているけどそれがユーザーに届かないという、もどかしい状況になっているように見えます。
予測では、2023年前半にも解消という話しもありますが、どうなんでしょう。
解消されるとしても民生用の無線機器とかはどう考えても最後に回されそうですから、今年いっぱいくらいは在庫不足と見ておいた方が良いのかもしれません。
新製品はでるのだろうか?
こうなってくると今年は無線機の新商品については、かなり悲観的な状況になりそうです。
アルインコからは広帯域受信機のDJ-X100がこの春発売かと言われていましたが、もし発売されたとしても当分入手困難でしょうね。
私が新発売を期待しているAORのAR-7400なんかは、もう最後の最後なんでしょう。それともやっぱり出ないでしょうか。
しばらくは新しいアマチュア無線機を選ぶ猶予を与えられたということで、良い方に考えましょうか。