私自身が今一番使用している受信機は、ICOMでもなければAORでもなくSONYの ICF-A100というホームラジオです。
受信できるのはAM/FM/TVで短波は受信できないのですし、これから注目されていくであろうワイドFMも受信できません。
FMが95MHzまで受信できれば良かったのですが、潔く上限が90MHzになっているので残念ながらワイドFM(FM補完放送)に対応できていません。
それが理由ということではないようですが、だいぶ前に生産終了となってしまいました。Amazonでも中古で販売されていますが、妙にプレミアが付いているので今からの購入はお勧めしません。(4~5千円ならば買ってもいいんですけどね)
ただ私自身はSONYらしい良いラジオ、名機と言って良いのではとすら思っているんです。機能的には特筆すべき所あまりないのですが素晴らしいと思うのはその放送局選択方法です。
上部パネルのそれぞれの地域の地元ラジオ局、テレビ局があらかじめ全局一覧で表示され、そこから聞きたい局を選択するという非常にわかりやすいシステムになっています。
そもそもこのラジオは15年くらい前に、高齢の両親のためにとにかく簡単で分かりやすいラジオを、ということで購入したのですが、その当時これ以上分かりやすいラジオはありませんでした。
写真では東京地域の局が表示されていますが、それでは他の地域はどうするのかと言うと何とラジオの裏面に全地域のパネル(14枚)が収納されており、それを昔の駅の表示板のように(どんだけ昔だ)手で差し替えるのです。
ホームラジオで聴く地域を変更するなどと言うことはそれほど頻繁にはないでしょうから、これはこれで合理的なやり方です。
このラジオの発売は2003年頃のようなので、やろうと思えば液晶で局名表示くらいできたのではないかと思うのですが、あえてそうせずに地域ごとに局名を差し替えるという、感覚的にわかりやすく他のメーカーとは違うシステムを採用している所がSONYらしいユニークさと感じました。
ちょっとケチをつければ、局名がたくさん表示されているので若干ゴチャゴチャして見づらくなっているのも事実なのですが、ラジオにそれ程詳しくない人にも分かりやすく放送局の選択をしてもらいたいというSONYの心意気に拍手を送りたいのです。(ちょっと大げさですけど)
実はSONYにはこのパネルを差し替える局名選択ラジオの系譜があるようで、カード式のパネルを入れ替えるICF-M500やその海外放送対応版のICR-SW700などがあり、またこの後ICF-A100のCDラジカセ版と言って良いようなCFD-A110なども出ており、もしかしたら他にもあるのかもしれません。
ただこのICF-A100の生産終了以降、局名選択ラジオの系譜は途切れてしまったようです。
できればFM補完放送に対応したSONYらしい据え置き型の局名選択ラジオを出してほしいものです。